女性起因の不妊による妊娠・出産リスク
イギリスなどの研究チームは、「Human Reproduction」にて、排卵障害、卵管障害、子宮内膜症を起因とする女性不妊は、男性不妊および原因不明の不妊と比べて、早産および低出産体重リスクが増すと発表した。
不妊は、妊娠・出産に伴うリスクを増加させる。また、生殖補助医療は、自然妊娠と比べて、周産期におけるリスクを高める。今回、女性起因の不妊が早産児および低出産体重児リスクを高めることが判明したが、リスクの絶対的増加は低かったという。
不妊要因と早産・低出産体重リスク
研究チームは、イギリスの生殖医療と生殖医学研究管理運営機関「The Human Fertilization and Embryology Authority(HFEA)」のデータより、特定の不妊要因と妊娠・出産リスクにおける関係性を検証した。
1991年から2016年の体外受精、顕微授精と体外受精の併用による出生件数117401件(単胎のみ、顕微授精のみは除く)を対象に、排卵障害・卵管障害・子宮内膜症を起因とする女性不妊、男性不妊、原因不明による不妊における早産児および低出産体重児を比較した。
排卵障害、卵管障害、子宮内膜症による不妊では、原因不明の不妊と比べ、早産リスクが極めて高くなった。原因不明の不妊、男性起因の不妊を比較したところ、早産リスクに差異は認められなかった。
一方、排卵障害、卵管障害による不妊における低出産体重リスクは、原因不明の不妊および男性起因の不妊より大幅に増加した。子宮内膜症による不妊の低出産体重リスクは、原因不明の不妊および男性起因の不妊と大差なかったと報告されている。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
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