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妊娠初期の胎児染色体疾患のスクリーニング検査に用いられるタンパク質は妊娠糖尿病と関連性がある

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妊娠初期の胎児染色体疾患のスクリーニング検査に用いられるタンパク質は妊娠糖尿病と関連性がある

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妊娠糖尿病と胎盤のタンパク質
マサチューセッツ大学医学部の研究チームは、「Science Translational Medicine」にて、妊娠初期の胎児染色体疾患のスクリーニング検査に用いられるタンパク質「妊娠関連血漿タンパク質A(PAPPA)」と妊娠糖尿病には関連性があり、タンパク質が少量である場合は、妊娠糖尿病リスクが高まると発表した。

PAPPAは胎盤から放出されて妊娠終わりまで上昇し続け、出産に伴い、消滅する。生物学的な機能は解明されていないが、今回、妊娠中の母体における脂肪組織の変化・リモデリング、耐糖能(血糖値を正常に保つためのグルコース・ブドウ糖の処理能力)との関連性が認められた。

妊娠糖尿病
妊娠糖尿病とは
妊娠糖尿病は、妊娠中の母体に起きやすい妊娠合併症であり、妊娠期のみに発症する。妊娠中の母体に糖代謝異常が生じることにより、グルコース(ブドウ糖)は細胞に吸収されず、血液中に蓄積して高血糖を引き起こす。

母親の高血糖と子供の代謝疾患には相関関係が認められ、在胎期に母親の高血糖に晒された子供は、将来的に肥満、心血管代謝障害などの代謝疾患リスクが高まるという。妊娠糖尿病の原因は解明されていないが、妊娠糖尿病を発症した女性のうち、半数は3年から5年以内に2型糖尿病を発症している。

また、妊娠糖尿病の女性では、インスリン注射を効果的に使用できない。体内のインスリン分泌異常によって引き起こる1型糖尿病とは異なり、妊娠糖尿病では、インスリン注射による血液中からグルコース・ブドウ糖(血糖)を下げる働きが低く、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪い状態)が高まる。

PAPPAによる妊娠糖尿病の検査・診断
研究チームは、妊娠中の女性6361人を対象に妊娠初期のPAPPA量を測定し、妊娠後期の血中グルコース濃度と比較したところ、PAPPA値が低い女性において、インスリン抵抗性が高まり、妊娠後期における妊娠糖尿病の発症リスクが増した。

研究結果より、妊娠中の女性の脂肪組織において、PAPPAおよびインスリン様成長因子結合タンパク質5(IGFBP5)が増加し、インスリンに類似した分子構造をもつホルモン「インスリン様成長因子1(IGF-1)」によって健康的な脂肪細胞が生成されると推測される。

一方、PAPPAの減少は、インスリン抵抗性を過剰に高め、健康な脂肪細胞の生成が阻害される。これにより、過剰なインスリン抵抗性が生じ、血中グルコースが上昇し、妊娠糖尿病を発症させるという。

現在、妊娠糖尿病の診断は、妊娠24週から妊娠28週の間に行われる。研究チームは、妊娠糖尿病である場合、医療的介入ができる期間は妊娠後期のみと非常に短く、十分な治療を施せないこともあると指摘する。それゆえ、妊娠初期より医療的介入ができることにより、妊娠糖尿病の症状を改善する機会が大幅に増えると考える。

PAPPAは、トランスレーショナル医療の潜在性をもち、妊娠糖尿病の診断ツールおよび治療標的・治療目標に活用できると期待される。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

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