遺伝子の特異的突然変異と男性不妊
ミュンスター大学医学部(ドイツ)の研究チームは、「The American Journal of Human Genetics」にて、新たな遺伝子「M1AP」が男性不妊の要因に関連すると発表した。
2年間に亘る広範囲に及ぶ研究を通して、ヨーロッパ人の共通祖先まで遡り、「M1AP」における特異的突然変異の存在、突然変異と男性不妊における関係性を示した。男性不妊を理解するうえで、今回の発見は極めて重要な進展であるという。
父親由来および母親由来の遺伝子における特異的突然変異による影響
研究チームは、約2000人の男性不妊患者から得たDNAシーケンシングデータより、ドイツ・ミュンスター出身4人、トルコにルーツをもつ5人、ポルトガル出身2人、ドイツ・ギーセン出身1人、オランダ・ナイメーヘン出身1人、イギリス・ニューカッスル出身1人に父親由来の遺伝子および母親由来の遺伝子に「M1AP」の特異的突然変異が確認された。
父親由来および母親由来、つまり両親から遺伝子突然変異を受け継いだ男性は、常染色体劣性遺伝(父親由来の変化を持った遺伝子、母親由来の変化を持った遺伝子を受け継ぎ、一対の遺伝子両方に異常があって発病する)であると推測する。
研究チームは、高い臨床的妥当性をもって、「M1AP」における特異的突然変異は、精子の形成障害、男性不妊の比較的頻繁な原因を示すと結論付ける。
(画像はプレスリリースより)

WWU MUNSTER
https://www.uni-muenster.de/news/view.php?cmdid=11147BioNews
https://www.bionews.org.uk/page_151090