母親の鬱症状に対する早期治療の重要性
クイーンズランド大学(オーストラリア)の研究チームは、「Paediatric and Perinatal Epidemiology」にて、子供への影響を防ぐうえで、母親の鬱病に対する早期治療が重要であると発表した。
母親が長期に亘って鬱病を患う場合、その子供は、行動障害および発達遅延リスクが高くなることは認められている。今回、母親の鬱病は子供に悪影響を及ぼすが、鬱病の発症時期に関わらず、あらゆるタイミングにおいて鬱症状の緩和することにより、子供への影響を軽減できると報告された。
母親の鬱病が子供に与える影響
研究チームは、「The Australian Longitudinal Study on Women's Health(ALSWH)」を用いて、母親892人の鬱症状レベル、子供978人の発達および行動を調査し、母親の鬱病が子供に与える影響を検証した。
母親が鬱病を発症した時期(妊娠前、妊娠中、妊娠後・産後)より子供に対する影響を比較したところ、発症期間こそが発症時期より影響力をもつことが判明した。
研究チームは、母親の鬱病期間が長くなる程、子供はより悪影響を受けると結論付ける。また、女性は妊娠中に鬱病を発症したことを懸念する傾向にあるが、鬱病の発症時期に関わらず、あらゆるタイミングにおいて、鬱症状の緩和こそが、子供への影響を防ぐうえで重要であると指摘する。
(画像はTHE UNIVERSITY OF QUEENSLANDより)

THE UNIVERSITY OF QUEENSLAND
https://medicine.uq.edu.au/