子宮内膜症、不妊、脳卒中における関連性
アリゾナ大学公衆衛生Mel& Enid Zuckerman College of Public Healthの研究者らは、子宮内膜症、不妊、脳卒中において関連性が認められると発表した。
子宮内膜症と女性不妊
子宮内膜症は慢性的な婦人科系疾患であり、約10%の女性が経験するといわれる。子宮壁を縁どりする子宮内膜組織(子宮内膜に似た組織)が子宮外の組織で発生し、病変を形成する。炎症レベルは増加し、免疫反応に異常をきたす。激しい痛みを伴い、生殖能力の低下および不妊の要因となる。
子宮内膜症の女性では不妊リスクが2倍となり、女性不妊のうち20%から50%が子宮内膜症と診断されている。近年の研究では、子宮内膜症の女性は、不妊の女性と同様に、心血管疾患や慢性疾患の発症リスクが高まると報告されている。
子宮内膜症の女性に希望を
研究者らは、国立衛生研究所(NIH)の支援のもと、NIH実施の看護師健康調査「Nurses’ Health Study II」より女性116000人以上のデータを分析し、子宮内膜症、女性不妊、脳卒中リスクマーカーにおける関連性を検証した。
「Nurses’ Health Study II」は1989年に開始され、その後、2年ごとに幅広い健康・ライフスタイル要因に関する情報を集めた。データ分析結果より、子宮内膜症、女性不妊、脳卒中における関連性が認められた。
今回の研究は、今後、子宮内膜症における病因・予防・管理・治療に関する研究に活かせると期待される。
(画像はプレスリリースより)
UNIVERSITY OF ARIZONA Mel& Enid Zuckerman College of Public Health
https://publichealth.arizona.edu/