喫煙が子供に与える影響
ヘルシンキ大学(フィンランド)の研究チームは、「European Respiratory Journal」にて、妊娠期の母親が喫煙することにより、子供が成人後(31~46歳)に自閉症スペクトラム障害を発症するリスクが約1.5倍になると発表した。
特に、呼吸器症状のある、感受性遺伝子(多因子疾患の発症に関わる遺伝子)「RUNX-1」のキャリアではある場合、リスクは高まると報告された。
妊娠期の喫煙と子供における大人の自閉症スペクトラム障害
これまで、タバコ煙への曝露は、子供の自閉症スペクトラム障害リスクを増加させることが認められている。今回、研究チームは、オウル大学(フィンランド)と国立健康福祉研究所の協力と得て、1966年に北フィンランドで誕生した5200人を対象に、出生後から46歳まで追跡調査を実施した。
調査を通して、妊娠期の喫煙と子供の自閉症スペクトラム障害リスクを検証したところ、妊娠期に母親が喫煙していた場合、子は、31歳から46歳の間に自閉症スペクトラム障害を発症するリスクが約1.5倍となった。
なかでも、呼吸器症状がある、感受性遺伝子(多因子疾患の発症に関わる遺伝子)「RUNX-1」を有する子では、自閉症スペクトラム障害の発症リスクは高まった。
研究チームは、妊活を検討している女性に対して、禁煙を強く推奨する。妊娠期に母親がタバコを吸わないことによって、子が成人後に自閉症スペクトラム障害を発症するリスクは軽減され、呼吸器系疾患を改善できる。
(画像はプレスリリースより)

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