早産児の抱えるリスク
クイーンズランド大学(オーストラリア)、オハイオ州立大学(アメリカ)の研究者らは、「JAMA Network Open」にて、早産児(妊娠37週未満に誕生)は学力低下・成績不振になるリスクが増し、同年齢の満期産児と比べ、学力・成績が低くなる傾向が強いと発表した。
共通テストに基づいて国語と算数における学力を比較したところ、早産児は、満期産児と比べ、読解力、算数全般および特定分野(知識・技能、計算など)における成績が低くなった。早産児の高次読解力(高等学校教育課程の読解力)、低次読解力は、満期産児より劣ることが認められた。
在胎週数と学力における関係性
研究チームは、アメリカ、カナダ、イギリス、アイルランド、インド、オーストラリア、ニュージーランドより収集した研究サンプルを用いて約7300人(5~18歳)を対象にメタ分析を行い、早産児と学力における関係性を検証した。
被験者(早産児:約4000人、満期産児:約3300人)の学力は、文章構成・内容の理解(言葉の意味の解釈、文章読解など)、算数(計算、知識・技能など)に関する標準検査・共通テストに基づく。在胎数週に沿って子供を層状に分布したところ、全ての早産児は、満期産児に比べて読解力が顕著に弱いことが認められた。
また、超早産児(妊娠28週未満)における言葉の意味の解釈は-8.54、算数では-11.92となった。妊娠28週から妊娠32週に誕生した早産児では、言葉の意味の解釈が-3.80、算数は-7.60となった。妊娠33週から妊娠37週に誕生した早産児は、言葉の意味の解釈が-8.07、算数では-7.98となった。
年齢(5~8歳、9~11歳、12~18歳)ごとに早産児と満期産児の学力を比較したところ、早産児は、読解力(言葉の意味の解釈)、算数における成績が満期産児より低くなった。
(画像はJAMA Networkより)

JAMA Network
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