不妊治療における個別化医療の重要性
エストニア研究評議会(Estonian Research Council)は、パーソナライズされたアプローチにより、体外受精成功率が高まるとの見解を示した。不妊治療プロトコルは平均的な女性に基づくゆえ、不妊治療を受ける女性のうち約30%は、体外受精においてパーソナライズされたアプローチが必要であるという。
個別化医療により体外受精成功率の向上
エストニアでは、2019年より、2ヶ所の総合病院「East Tallinn Central Hospital(ETCH:東タリン中央病院)」「West Tallinn Central Hospital(WTCH:西タリン中央病院)」にて、個別化医療を導入した不妊治療向けパイロットプログラムが開始された。
体外受精の失敗を繰り返す、不妊要因が不明である女性を対象とし、プログラム開始以降、参加者50人のうち17人が妊娠成立し、すでに子供3人が誕生している。
参加者の女性は、標準の治療計画に従って、胚移植の実施前に子宮内膜の着床能を検査した。小さな組織サンプルを採取し、バイオマーカー遺伝子67個をDNAシーケンシング技術にて分析した。
胚の着床に対する子宮内膜の受け入れ準備を計測したところ、3人に1人はパーソナライズされた治療計画が必要であり、標準的治療タイミングが必ずしも最適であるといえないことが判明した。
今回の研究結果より、研究チームは、体外受精の失敗を繰り返す場合、子宮内膜着床能(BRA)検査を推奨している。子宮内膜着床能検査の結果に基づき、胚移植タイミングを変えることにより、体外受精の成功率は向上すると結論付けている。
(画像はプレスリリースより)

Estonian Research Council
https://researchinestonia.eu/