妊娠中の運動の重要性
10月10日、東フィンランド大学(フィンランド)の研究チームは、プレスリリースにて、妊娠中の運動により、子供の喘息リスクが軽減すると発表した。
妊娠中に週3回以上の頻度で運動をする母親は、運動の頻度が週3回未満の母親と比べて、子供の喘息リスクが半減するという。
妊娠中の運動と子供の喘息における関係性
これまで、妊娠中の運動は、母子の健康に対して肯定的な影響を与えることが認められている。先行研究では、妊娠中の運動は胎児の運動や呼吸様運動に影響し、子供の肺機能が向上すると示された。
そこで、研究チームは、「the Kuopio Birth Cohort study」を用いて、母子約1000組を対象に妊娠中の運動と子供の喘息における関係性を検証した。
出生前(妊娠中)から7歳まで調査を継続したところ、妊娠中の運動量・頻度と子供の喘息において関係性が認められた。妊娠中の運動は、出生前ならびに出生後の子供の健康に対して肯定的な影響を与え、胎児の運動や呼吸様運動だけでなく、胎児の肺発達を促すという。
なお、世界保健機関(WHO)は、妊婦に対して1週間あたり2.5時間以上の運動を推奨する。
今回、妊娠中の運動と喘息リスクの軽減における因果関係は明らかになっていないものの、研究チームは、妊娠中の運動によって胎児の肺発達が促進される可能性を指摘している。これより、喘息の予防には、妊娠中の運動が不可欠であるといえる。
(画像はプレスリリースより)
UNIVERSITY OF EASTERN FINLAND
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