妊娠中の魚摂取の重要性
9月3日、アメリカ国立衛生研究所(NIH)による小児環境保健に関する疫学調査「ECHOプログラム」は、プレスリリースにて、妊娠中の魚摂取は子供の自閉スペクトラム症リスクを下げると発表した。
とりわけ、女児の場合、妊娠中の食事に魚を取り入れることにより、自閉スペクトラム症と診断される可能性が12%減少したという。
妊娠中のオメガ3摂取量と子供の自閉スペクトラム症における関係性
オメガ3脂肪酸は魚に豊富に含まれ、妊娠中の母子の健康にとって必要不可欠な栄養素である。しかしながら、ECHOプログラムによると、調査対象者のうち25%は、妊娠中に全く魚を食べない、あるいは月に1回未満であった。また、妊娠中にオメガ3サプリメントを使用した女性も少なかった。
そこで、研究チームは、調査参加者約4000人を対象に、妊娠中の魚摂取やオメガ3サプリメント使用と子供の自閉スペクトラム症における関連性について検証した。
妊娠中の魚やオメガ3サプリメントの摂取量は、自己申告による妊娠中の食事内容から測定した。また、子供の自閉スペクトラム症的特性は、対人応答性尺度(SRS)に基づき評価した。
妊娠中の魚やオメガ3サプリメント摂取量、子供の自閉スペクトラム症診断率、子供の自閉スペクトラム症的特性より、妊娠中の魚摂取量と子供の自閉スペクトラム症に関連性が認められた。妊娠中に魚を食べた場合、全く食べなかった場合と比べて子供が自閉スペクトラム症の診断を受ける可能性は下がり、自閉スペクトラム症的特性が僅かながら軽減した。
特に、女児では、妊娠中の母親が食事に魚を取り入れることにより、自閉スペクトラム症と診断される可能性が12%減少したという。なお、これらの結果は妊娠中の魚摂取量に関わらず、妊娠中に魚を食べる頻度が「週1回未満」から「週2回以上」まで一貫していたという。
一方、オメガ3サプリメントと子供の自閉スペクトラム症診断率において関連性は確認されなかった。妊娠中にサプリメントを使用した場合と使用しなかった場合を比較したところ、有意な差は示されなかった。
(画像はプレスリリースより)
ECHO
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