食生活と不妊治療
8月22日、アテネ大学(ギリシャ)の研究チームは、「Nutrients 」にて、地中海料理によって臨床妊娠率および出生率が改善すると発表した。
なお、地中海料理では野菜・果物・豆・ナッツ類・全粒粉などの植物性食品、オリーブオイルが豊富に含まれる。魚や鶏肉を適度に摂取し、赤身の肉や加工食品はあまり摂取しない。
地中海料理が不妊治療に対して与える影響
研究チームは、学術文献データベース「PubMed」「MEDLINE」「Embase」「ScienceDirect」「Google Scholar」「Web of Science」を用いて、不妊治療患者2321人を対象に地中海料理と不妊治療における関係性について検証した。
食事摂取頻度調査票に基づき地中海料理の遵守を評価したところ、3文献において地中海料理による不妊治療結果の改善が示された。不妊治療中に地中海料理を摂取する女性は、臨床妊娠率および出生率が向上したという。
また、2文献を通じて、胚発生や卵巣予備能力(卵巣機能)に対して肯定的な効果をもたらすことが認められた。
一方、2文献では、地中海料理と最終的な不妊治療の成功において有意な関連性は報告されなかった。4文献では、卵母細胞、胚の数や質に対する影響は確認されなかった。
地中海料理の遵守と不妊治療の成功における関連性は限定的であるものの、地中海料理によって不妊治療の結果が改善するといえる。
(画像はMDPIより)
MDPI
https://www.mdpi.com/2072-6643/16/16/2807