妊娠中の食事の重要性
2月27日、ジョンズ・ホプキンズ大学(アメリカ)の研究チームは、「Journal of the American Heart Association」にて、健康的な食生活によって子癇前症(妊娠高血圧腎症)リスクを軽減できると発表した。
食事と有害な妊娠転帰における関係性
野菜、果物、全粒穀物、高脂肪タンパク質を豊富に含む食事(地中海料理、DASH食(高血圧を防ぐ食事方法)など)は、心血管梗塞、脳卒中、心血管合併症を含む重篤な心血管疾患リスクを大幅に軽減するといわれる。
子癇前症と心血管疾患は重複するため、健康的な食事にて子癇前症リスクが軽減する可能性が予測される。また、先行研究では、妊娠中に地中海料理を好んで食べる女性は、有害な妊娠転帰リスクが軽減すると報告されている。
そこで今回、研究チームは、妊娠後期の女性451人を対象に食事調査を行い、食事と有害な妊娠転帰における関係性を検証した。
24時間思い出し法(調査日前日の食事内容を聞き取る食事調査)に基づき食事による影響を調査したところ、固形脂肪、精製穀物、チーズを多く摂取する妊婦において子癇前症リスクの増加が認められた。
脂肪や加工肉の摂取は、妊娠前高血圧や肥満の主な特徴である全身性炎症や内皮機能不全の増加と関連しているといわれる。それゆえ、これらが妊娠中の子癇前症や他の高血圧障害の発症要因である可能性が示唆される。
(画像はJournal of the American Heart Associationより)

Journal of the American Heart Association
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.123.032551