自然流産率を高める要因
12月6日、ボストン大学公衆衛生学、スタンフォード大学公衆衛生学(アメリカ)などの研究チームは、「Human Reproduction」にて、睡眠時間、勤務時間帯、自然流産率には関連性があると発表した。
パートナーである男性の睡眠時間の短さ、女性の夜間勤務、夫婦・カップル間の勤務時間帯のすれ違いは、自然流産率を高めるという。
男性の睡眠時間、日中以外の勤務スケジュール、自然流産率における関係性
これまで、複数の研究から睡眠時間、リプロダクティブ・ヘルスにおける関連性が報告されている。睡眠時間は受胎確率に影響を及ぼすという。また、特定の職業や勤務スケジュールは、自然流産リスクを高めるともいわれる。
そこで今回、研究チームは、2013年6月から2023年4月の期間、北アメリカ在住の妊活中の女性9357人ならびにパートナーである男性2602人を対象に前向きコホート研究を行い、男性の睡眠時間、日中以外の勤務スケジュール、自然流産率における関係性を検証した。
被験者らが回答した平均睡眠時間(過去1ヶ月)と勤務スケジュールに関するアンケートに基づきデータを分析したところ、女性の睡眠時間と自然流産に関連性は認められなかった。推奨睡眠時間(7~8.9時間)の女性、睡眠時間が6時間未満の女性において、自然流産率に大きな差異は見られなかった。
一方、パートナーである男性の睡眠時間の短さ、女性の夜間勤務は、自然流産率に影響を与えることが確認された。特に、男性が日中勤務でなく、夫婦・カップル間の勤務時間帯にすれ違いが生じる場合、日中勤務の夫婦・カップルと比べて自然流産率は増した。
(画像はHuman Reproductionより)
Human Reproduction
https://academic.oup.com/