妊娠中のアセトアミノフェン服用による影響
1月16日、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(アメリカ)は、プレスリリースにて、妊娠中のアセトアミノフェン服用量と幼児期の不注意や問題行動には関連性があると発表した。
これまで、アセトアミノフェンは妊娠中に服用可能な解熱鎮痛剤として扱われてきた。
しかしながら、先行研究において、妊娠中のアセトアミノフェン服用により、子供の成長・発達に悪影響が出る可能性が示唆された。特に妊娠中期の頻繁なアセトアミノフェン服用により、幼児(2~4歳)の注意欠陥多動性障害リスクが増すという。
なお、研究論文は、「Neurotoxicology and Teratology」に掲載されている。
妊娠中のアセトアミノフェン服用量と幼児の成長・発達における関連性
研究チームは小児環境保健に関する大規模調査「Illinois Kids Development Study」の一貫として、妊娠中の薬の服用と出生前の薬物曝露による影響を検証した。
妊娠中の母親に対してアセトアミノフェンの服用に関するアンケート調査を6回(4~6週間に1回)行い、300人以上の幼児を対象に2歳、3歳、4歳の段階における行動特性や持続的注意集中力を検査した。
調査結果を通じて妊娠中のアセトアミノフェン服用ならびに出生前の薬物曝露は、幼児(2~4歳)の成長・発達に悪影響を及ぼすことが認められた。とりわけ、妊娠中期のアセトアミノフェン服用量が多いほど、幼児(2~4歳)の注意欠陥多動の傾向が高まるという。
研究チームは、調査は限定的であるものの、妊娠中期のアセトアミノフェン服用が子供の脳発達に悪影響を及ぼす可能性を示唆する。
(画像はプレスリリースより)
I ILLINOIS
https://news.illinois.edu/view/6367/982649689