早産児と発達障がい
2月13日、イスラエルの研究チームは、米国最大の産科関連の年次学術集会「米国母体胎児医学会(SMFM)」にて、早産と自閉スペクトラム症において有意な関連性はないと発表した。
なお、研究論文は、「American Journal OF Obstetrics and Gynecology」(2月13日)に掲載されている。
早産と自閉スペクトラム症における関連性
これまで、複数の先行研究では、早産と自閉スペクトラム症の関連性を示唆している。そこで今回、研究チームは、2005年から2017年の間、イスラエルの病院や地域診療所にて出産した女性11万4975人を対象に早産と自閉スペクトラム症における関連性を検証した。
初期分析では、超早産(妊娠28週未満)、極早産(妊娠28~31週)、中等度早産(妊娠32~33週)、後期早産(妊娠34~36週)と自閉スペクトラム症に有意な関連性が報告された。
しかしながら、民族、SGA(体重が在胎期間に対して10パーセンタイル未満)、母体年齢、子供の性別を調整して解析したところ、早産と自閉スペクトラム症において関連性はないことが認められた。
研究チームは、自閉スペクトラム症の明確な原因は複雑であり、早産などの単一の産科的な因子が自閉スペクトラム症の原因である可能性は低いと指摘する。
(画像はSociety for Maternal-Fetal Medicineより)
Society for Maternal-Fetal Medicine
https://s3.amazonaws.com/AJOG
https://www.ajog.org/article/S0002-9378(23)00841-4/