早産リスクを高める要因
9月28日、スタンフォード大学医学部は、妊娠中に睡眠時間ならびに運動量が不足することにより、早産リスクが増加すると発表した。
今回、妊娠中の睡眠時間ならびに身体活動において、早産リスクとの関連性が確認された。なお、研究論文は、「npj Digital Medicine」にて掲載されている。
妊娠中の睡眠ならびに運動と早産リスクにおける関係性
早産には人種、所得、生活環境など複数因子が関連するが、今回の調査では、睡眠と運動に焦点をあてた。
研究チームは、ワシントン大学の協力を得て妊婦1083人を対象に妊娠中の睡眠と運動に関するデータを収集し、早産リスクを軽減できる睡眠ならびに運動パターンを分析した。被験者は腕時計型小型高感度加速度センサー「アクチグラフ」を身に付け、妊娠中の運動量、夜間就寝中の光曝露量を測定した。
機械学習のアルゴリズムにてウェアラブル端末データを解析したところ、妊娠前と比べて、妊娠中は睡眠時間と身体活動レベルが変化することが認められた。
一般的に、妊娠数週の増加に伴い、睡眠時間ならびに身体活動量は減少した。つまり、胎児が大きくなるにつれて母親の睡眠時間や運動量は減る傾向にあったという。
また、データ解析結果より、研究チームは、睡眠ならびに運動パターンにおける変化度合いから早産リスクを予測できると説明する。
妊娠中の睡眠ならびに運動が理想的なパターンである場合、早産リスクは48%減少した。一方、妊娠中の睡眠時間ならびに運動量が減少した場合、早産リスクが増加することが認められた。妊娠中の睡眠ならびに運動が理想的なパターンから逸脱するほど、早産リスクは高まるという。
(画像はプレスリリースより)
Stanford Medicine
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