失業が妊娠に対して与える影響
9月28日、ヨーロッパの研究チームは、「Human Reproduction」にて、妊娠中の失業は妊娠結果に悪影響を与える可能性を示唆した。
妊娠中の女性がパートナーが失業を経験することにより、流産や死産のリスクが高まるという。ただし、今回、妊娠中の失業と妊娠喪失(子宮内で胎児が死亡して妊娠が継続できない状態)における因果関係は立証されていない。
失業と妊娠喪失における関係性
研究チームは、イギリスで毎年実施される個人レベルのパネル調査「Understanding Society」(2009~2022年、約4万世帯)を用いて失業が妊娠に対して与える影響を検証した。
妊婦8142人を対象にデータ分析を行ったところ、流産歴のある女性は、妊娠中にパートナーが失業することによって妊娠喪失リスクが高まる可能性が認められた。パートナーの失業を理由とした妊娠中の生活やライフスタイルの変化、妊娠中のストレス増加が関係しているという。
しかしながら、研究チームは、失業が流産や死産リスクの増加に対してどのように影響するのかは不明であると説明する。妊娠中の失業と妊娠喪失における因果関係を明らかにするには、今後更なる研究が必要とされる。
(画像はHuman Reproductionより)
Human Reproduction
https://academic.oup.com/eshre
https://www.eshre.eu/