子供の呼吸器感染症リスクを高める要因
9月11日、ゲントフテ病院とコペンハーゲン大学(デンマーク)の研究チームは、「欧州呼吸器学会議(ERS)」(イタリア・ミラノ)にて、都市部で育った乳幼児および子供は、地方部と比べて、咳、風邪、小児喘息などの呼吸器感染症リスクが増すと発表した。
乳幼児および子供の呼吸器系感染症リスクは、生活環境の影響を受けるという。
生活環境と子供の呼吸器感染症リスクにおける関係性
研究チームは、喘息の母親とその子供を対象にした出生コホート研究「Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood (COPSAC)」を用いて、生活環境と子供の呼吸器感染症リスクにおける関係性を検証した。
母子663人を対象に母親の妊娠中から誕生した子供が3歳になるまで調査を継続した結果、都市部で育った乳幼児および子供は、地方部と比べて呼吸器感染症リスクが増すことが認められた。
また、妊娠中の母親、新生児期(生後4週間)の子供に対して血液検査を行い、子供の免疫システムを分析した。都市在住の母子と地方在住の母子を比較したところ、免疫システムに相違が認められ、都市在住の母子の血液サンプルには複数の呼吸器感染症が検知された。
研究チームは、低年齢からの集団保育、高気密高断熱で湿気の多い家、交通量が多い幹線道路沿いの家など、都市の生活環境や大気汚染が、子供の呼吸器感染症リスクの一因になると考える。なお、子供の呼吸器感染症リスクは母乳育児にて軽減できるという。
(画像はプレスリリースより)
ERS
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