不妊における適した1次治療とは
10月27日、インペリアル・カレッジ・ロンドンは、「BMC Women's Health」にて、女性の年齢、不妊期間や症状、妊娠歴などに基づき、体外受精および人工授精を選択するべきであると提唱した。
現在、不妊治療では、体外受精が1次治療として選択されるケースが多い。しかしながら、今回、患者の状況に応じて、卵巣刺激を併用した人工授精、体外受精を選択することを提案する。
原因不明の不妊症における体外受精ならびに人工授精の有効性
研究チームは、2022年1月、文献データベース「Ovid MEDLINE」「Embase」「Maternity and Infant Care」「Cochrane Library」から34文献を用いてシステマティック・レビューとメタ分析を行い、原因不明の不妊症における体外受精ならびに人工授精の有効性を評価した。
体外受精および人工授精の出生率、臨床妊娠率と継続妊娠率を比較したところ、原因不明の不妊症で予後不良のカップル(不妊治療期間12ヶ月に亘る妊娠可能性30%未満)において、卵巣刺激を併用した人工授精(IUI-OS)は出生率と臨床妊娠率を3倍増加させることが判明した。
ただし、これは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など不妊症の原因が特定されている被験者も含まれており、やや信憑性に欠ける結果であるという。
これより、研究チームは、原因不明の不妊症の1次治療として、予後良好な38歳未満の女性には卵巣刺激を併用した人工授精、38歳以上の女性には体外受精を提供することを提案する。
(画像はBMC Women's Healthより)

BMC Women's Health
https://bmcwomenshealth.biomedcentral.com/