出生前の内分泌攪乱物質暴露による影響
10月18日、ポンペウ・ファブラ大学(UPF)などスペインの研究チームは、「Environmental Health Perspective」にて、出生前の内分泌攪乱物質暴露は、出生前ならびに出生後の成長に悪影響を及ぼすと発表した。
出生前の内分泌攪乱物質暴露と子供のBMI軌跡における関係性
内分泌攪乱物質はプラスチック製品、コスメ・化粧品から水、食品に至るまで幅広く含まれるが、内分泌攪乱物質暴露は正常な成長を妨げるといわれる。
内分泌系システムに干渉して悪影響を及ぼし、とりわけ、出生前の内分泌攪乱物質暴露は、過剰体重や肥満、糖尿病、心血管疾患など健康において長期的影響を与え続ける。
そこで今回、研究チームは、スペインの出生コホート調査「INfancia y Medio Ambiente(INMA)」を用いて、母子1911組を対象にアンケート調査や健康診断を行い、出生から9歳までのBMI軌跡を分析した。
あわせて、血液検査や尿検査に基づき、血中ならびに尿中におけるヘキサクロロベンゼン(HCB)、ジクロロジフェニルジクロロエチレン(DDE)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ペルフルオロノナン酸(PFAS)、フタル酸エステル代謝物、フェノールを測定した。
出生前のHCB、DDE、PCB、PFNA曝露により、子供の出生身長・体重が平均を下回り、出生後はBMIの増加が加速する傾向が認められた。これは子供の性別にて相違があり、男児のほうが大きな影響を受けると報告された。
また、出生前のHCB、DDE曝露はBMI増加を加速させ、子供の出生身長・体重が平均より大きくなったという。
研究チームは、出生前の内分泌攪乱物質暴露にて、子供のBMI増加が加速すると結論付ける。
(画像はEnvironmental Health Perspectiveより)
Environmental Health Perspective
https://ehp.niehs.nih.gov/doi/10.1289/EHP11103NEWS MEDICAL
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