大気汚染物質による健康影響
11月15日、ラトガース大学(アメリカ)は、プレスリリースにて、微小粒子状物質(PM2.5)と二酸化窒素(NO2)によって生殖機能・能力が妨げられる可能性を示唆した。
今回、大気汚染物質と乳児期の生殖発達において関連性が認められた。大気汚染物質曝露は、出生前ならびに乳幼児期における重要なホルモン活動を妨げ、長期に亘ってリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)に悪影響を及ぼし続けるという。
なお、研究論文は「Environmental Health Perspectives」に掲載されている。
出生前および出生後の大気汚染物質曝露が生殖機能・能力に与える影響
研究チームは動物モデル実験を行い、出生前および出生後の大気汚染物質曝露が生殖機能・能力に与える影響を観察した。
出生前および出生後にディーゼル車排出ガスと濃縮粒子物質に曝露したところ、出生前ならびに乳幼児期における重要なホルモン活動を妨げることが認められた。
微小粒子状物質(PM2.5)と二酸化窒素の曝露は、肛門生殖器間距離(AGD:性器と肛門の間の長さ)に悪影響を与えるという。なお、成人男性と女性を対象とした研究では、肛門性器間距離の変化が、ホルモンレベルや精液の質、生殖能力、生殖障害に関連している可能性があると報告されている。
とりわけ、オスへの影響は大きく、研究チームは、肛門生殖器距離が短くなる場合、大気汚染物質曝露によって胎児のテストステロン生成が妨げられている兆候であると考える。
(画像はプレスリリースより)
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