ダブルトリガーによる効果
7月19日、中山医学大学附設医院(台湾)の研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、新鮮胚移植の臨床妊娠率はダブルトリガー(デュアルトリガー)によって改善すると発表した。
従来の体外受精では、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)をトリガーとして用いてきたが、近年、ダブルトリガー(デュアルトリガー)が普及しつつある。ダブルトリガーとは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)と性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニストを併用する療法である。
今回、hCGとGnRHアゴニストを併用する場合、hCGのみの場合と比べて新鮮胚移植の臨床妊娠率を高めると報告された。
新鮮胚移植ならびに凍結融解胚移植におけるダブルトリガーの効果
研究チームは、文献データベース「Medline」「Embase」を用いてシステマティック・レビューとメタ分析を行い、新鮮胚移植ならびに凍結融解胚移植におけるダブルトリガーの効果を検証した。
無作為化比較試験10件を含む、ダブルトリガー825人、hCGトリガー813人を比較したところ、ダブルトリガーでは1サイクルあたりの出生率、採卵数、成熟卵数、臨床妊娠率において大幅な増加が認められた。
なお、ダブルトリガーは新鮮胚移植に有益な効果はあるという。新鮮胚移植の場合、ダブルトリガーと臨床妊娠率には関連性があり、hCGとGnRHアゴニストを併用することによって臨床妊娠率が顕著に増加した。一方、凍結融解胚移植の場合、ダブルトリガーと臨床妊娠率の増加における関係性は確認されなかった。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)
SPRINGER LINK
https://link.springer.com/