妊娠中のビタミンD不足による影響
4月23日、スペインの研究チームは、「nutrients」にて、出生前のビタミンD不足と男児の肥満リスクには関連性があり、11歳までの肥満リスクが増加すると発表した。
今回の研究を通じて、妊娠中のビタミンDレベルが子供の脂肪生成に影響する可能性が示唆された。妊娠中の母親がビタミンD欠乏状態である場合、男児の脂肪生成に影響を及ぼし、11歳までの肥満リスクが高まるという。
出生前のビタミンD不足と男児の肥満リスクにおける関係性
研究チームは、出生コホート「INMA(Children and the Environment)」を用いて、母子2027人を対象に妊娠中のビタミンDレベルが子供の成長に与える影響を検証した。
妊娠中のビタミンDレベルは、妊娠13週に血清中の25ヒドロキシビタミンD(25OHビタミン:全身のビタミンD状態を表す代謝物)にて測定された。あわせて、性別および年齢別の体格指数Zスコア(標準スコア)は7歳および11歳で計算され、体脂肪量は11歳で計測した。
妊娠初期の慢性的なビタミンD不足状態(20ng/mL未満)は子供の過剰体重リスクを高め、7歳および11歳での過体重の確率が増加した。
また、妊娠初期のビタミンD欠乏状態による影響は子供の性別で異なり、男児のみで認めら、学童期の男児におけるBMI、体脂肪率、過体重の確率を増加させた。一方、出生時の身長・体重は小さい傾向にあったため、出生後から学童期までの体重増加量は大きく、体重増加速度も加速した。
これより、研究チームは、妊娠中のビタミンDレベルと男児の肥満リスクには関連性があり、妊娠初期にビタミンDが欠乏すると11歳までの男児の肥満リスクを高めると考える。
(画像はnutrientsより)
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