帝王切開が子供に与える影響
4月21日、富山大学の研究チームは、「Scientific Reports」にて、日本人の子供の場合、帝王切開によって子供の肥満リスクはやや増加すると発表した。
帝王切開と3歳の子供の肥満における関係性
これまで、帝王切開は、子供の肥満において危険因子になると広く報告されてきた。海外の研究によると、3歳以降の肥満は大人の肥満と関連があり、乳幼児期の肥満は成人期の肥満が約5倍になるとも報告されている。
しかしながら、帝王切開が子供の肥満に対して与える影響、人種や民族による影響の差異は具体的には解明されていなかった。
そこで、今回、研究チームは、環境省による疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加する 日本人の母子60769組を対象に、帝王切開が日本人の子供に対して与える影響を検証した。
3歳でのBMIに基づいて評価したところ、帝王切開で誕生した子供11241人(18.5%)のうち、4912人(8.1%)が肥満であった。これは、経膣分娩で誕生した子供と比べ、やや増加した。これより小さな差異ではあるものの、帝王切開によって子供の肥満リスク(3歳)が高くなることが示された。
(画像はScientific Reportsより)
Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-023-33653-7