小児期の骨折に影響を与える因子
6月5日、東フィンランド大学(フィンランド)の研究チームは、プレスリリースにて、早産児や低出生体重児は小児期の骨折リスクが低く、小児期の骨折リスクは在胎期間や出生体重ではなく、他の因子が影響していると発表した。
小児期の骨折リスクと在胎期間、出生体重における関係性
妊娠後期では、胎盤から胎児へミネラルが供給される。それゆえ、極低出生体重児(1500g未満)や超低出生体重児(1000g未満)はミネラルが不足し、未熟児代謝性骨疾患(未熟児骨量減少症、新生児くる病)リスクが高まるといわれる。
そこで今回、東フィンランド大学とクオピオ大学病院は、出生レジスタ「Medical Birth Register」、医療ケアレジスタ「the Care Register for Health Care」などを用いてフィンランド国内100万人以上の子供を対象に、早産児ならびに低出生体重児の小児期における骨折リスクを評価した。
早産児ならびに低出生体重児の場合、満期産児ならびに正常児と比べて、小児期の骨折は著しく少ないことが確認された。これは、妊娠32週未満で誕生した早産児において顕著に認められ、満期産児よりも骨折が23%減った。また、低出生体重児のうち特に超低出生体重児では、骨折が少ないとも報告された。
一方、早産児は、満期産児と比べてスポーツに参加する可能性が低く、骨折の危険性が減るともいわれる。これより、小児期の骨折リスクは、早産や出生体重ではなく、他の因子が影響していると結論付けられる。
(画像はプレスリリースより)
UNIVERSITY OF EASTERN FINLAND
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