男性の脂肪酸摂取量が与える影響
5月23日、アメリカの研究チームは、「Human Reproduction」にて、自然妊娠の場合、男性の総摂取エネルギーに対する脂肪酸摂取量が受胎確率に与える影響は小さいと発表した。
これまで、先行研究では、男性の脂肪酸摂取量と精液の質には関連性があり、脂肪酸摂取量の増加に伴い精液の質は低下すると報告されている。しかしながら、自然妊娠を望むカップルにおいて、脂肪酸摂取量と受胎確率の関係性は不明であった。
男性の脂肪酸摂取量と受胎確率における関係性
研究チームは、2015年から2022年の期間、アメリカおよびカナダ在住の男女697組(21~45歳、不妊治療なし)を対象にインターネットを介した前向き妊娠前コホート研究を行い、男性の脂肪酸摂取量と受胎確率における関係性を検証した。
今回の調査期間中(月経周期2970サイクル)では、参加者697組のうち465組に妊娠が認められた。なお、男性被験者は女性参加者が妊娠するまで、または最長12ヶ月まで8週間ごとに「食事摂取頻度調査票(FFQ)」を実施した。
男性に対するアンケート調査に基づき妊娠までの時間を確認したところ、男性の総脂肪摂取量ならびに脂肪酸サブタイプの摂取量は小さいながらも受胎確率に影響を与えることが認められた。ただし、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸の摂取量は、受胎確率と強い関連性は確認されなかった。
研究チームは、自然妊娠を試みる場合、男性の脂肪酸摂取量と受胎確率において関連性はないと考える。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
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