授乳期間に影響を与える因子
5月18日、スペイン、ギリシャ、アメリカの国際研究チームは、「The American Journal of Clinical Nutrition」にて、妊娠前の体格指数(BMI)は授乳期間に影響を与えると発表した。
母体の肥満と授乳期間には関連性があり、妊娠前のBMIが過剰体重および肥満である場合、混合育児(ミルクと母乳併用)、完全母乳育児(母乳のみ)の期間が短くなると報告された。
妊娠前のBMIと授乳期間における関係性
今回、研究チームは、スペイン、ギリシャ、アメリカのコホート調査を用いて母子5120組を対象に、妊娠前のBMIと授乳期間における関係性を検証した。
妊娠前のBMIに基づいて授乳期間を比較したところ、過剰体重および肥満の母親は、標準体重の母親と比べて混合育児ならびに完全母乳育児の期間が短いことが認められた。
また、妊娠前のC反応性タンパク(体内で炎症反応や組織の破壊が発生すると血中に現れるタンパク質)、帝王切開率、食事性炎症指数(DII:食事が炎症状態に与える影響を総合的に評価する指標)の上昇に反して、授乳期間が短くなった。
一方、妊娠糖尿病、出産時の妊娠年齢、出生体重は、授乳期間と関連性はないという。
研究チームは、妊娠前のBMIが高いほど授乳期間が短くなると結論付ける。さらに、母親の食事における炎症状態、体内の炎症反応、分娩方法が授乳期間に影響を与える可能性があると示唆する。
(画像はThe American Journal of Clinical Nutritionより)
ScienceDirect
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