ビタミンDが生殖機能に与える影響
3月8日、ブラジルの研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、不妊治療において、血中ビタミンD濃度は体外受精の妊娠率、成熟した卵母細胞の数、免疫細胞の活性化に影響を与えると示唆した。
血中ビタミンDと体外受精の妊娠率における関係性
研究チームは、2021年9月から2月22日の期間、複数文献データベースから研究論文18文献を選び、血中ビタミンD濃度と体外受精の妊娠率における関係性を検証した。
システマティック・レビューを行ったところ、18文献中5文献において、血中ビタミンD濃度と体外受精の結果に正の相関が認められた。
卵胞液を評価した3文献では、卵胞液中のビタミンD濃度と血清レベルおよび卵胞数に正の相関が報告され、とりわけ、非ヒスパニック系白人は、アジア人と比べてビタミンD不足による影響が顕著に出た。
さらに、1文献によると、ビタミンD不足の女性ではナチュラルキラー細胞(NK細胞)、B細胞、ヘルパーT細胞(Th細胞)、細胞傷害性T細胞(CTL)の数が増加し、一方で成熟した卵母細胞の数が減少したという。
研究チームは、血中ビタミンD濃度と体外受精の結果における関係性は不確かではあるものの、血中ビタミンD濃度は成熟した卵母細胞の数、免疫細胞の活性化に影響を与えると考える。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)
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