妊娠初期の流産の原因
3月2日、中国の研究チームは「Human Reproduction」にて、正倍数性胚移植における妊娠初期の流産は遺伝子変異によって生じる可能性が高いと発表した。
原因不明の流産と遺伝子変異体
正倍数体(染色体数が正常な胚)では妊娠率が高まり、流産率が低くなるといわれる。しかしながら、正倍数体を移植しても流産に至るケースもある。複数の先行研究では、正倍数性胚移植における妊娠初期の流産は、遺伝的性質が原因であると報告されている。
今回、研究チームは、妊娠初期(妊娠13週未満)に原因不明の流産を繰り返すカップル8組を対象に、全ゲノムシーケンシング(WGS)ならびにトリオ全エクソームシーケンス(WES)を用いて遺伝子解析を行った。
あわせて、Rry2およびPlxnb2バリアントを持つノックイン マウスによる動物モデル実験を通じて機能的に検証したところ、妊娠初期の流産を引き起こす変異体を特定した。これらの遺伝子変異体は、マウス受精卵から胚盤胞に至るまで広く発現していた。
小規模かつ限定的な調査であるものの、研究チームは、妊娠初期の流産が受精卵および胚における遺伝子変異体によって生じる可能性が高いと示唆する。
(画像はHuman Reproductionより)
Human Reproduction
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