肥満の妊娠による危険性
2月28日、「The Journal of Physiology」では、肥満の妊娠は胎盤の構造を変化させ、母子の健康リスクを増加させると発表した。
妊娠中の母体の肥満は、妊娠糖尿病と比べて胎盤構造に大きな影響を与え、胎盤の形成不全をまねく。胎盤の血管密度は低くなり、血管表面積は減少し、胎盤の構造が変化する。これにより、母体側から胎児側への栄養供給が妨げられ、母子の健康、さらには妊娠結果に悪影響を及ぼすという。
肥満と妊娠糖尿病が妊娠に与える影響
今回、研究チームは、南アフリカにて黒人女性71人(肥満52人、妊娠糖尿病38人)を対象に肥満と妊娠糖尿病が妊娠に与える影響を検証した。
胎盤構造形成を分子レベルで分析し、臍帯血を生物学的に検査したところ、肥満の妊娠ならびに妊娠糖尿病は、複数の合併症と関連することが認められた。
妊娠中の母親が肥満であり、妊娠糖尿病を発症した場合、胎盤のホルモン分泌、炎症マーカーは悪影響を受け、胎盤機能は異常をきたし、その結果、子宮内胎児死、死産、乳乳児死亡、巨大児リスクが増すと報告された。
研究チームは、今回の研究を通じて、肥満の妊娠の危険性を指摘し、妊娠糖尿病よりも母子の健康に悪影響を及ぼすと結論付ける。
(画像はプレスリリースより)

The Journal of Physiology
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