体外受精と顕微授精の治療効果
11月28日、西安交通大学(中国)の研究チームは、「BMC Women’s Health」にて、男性側に起因がなく、不妊治療期間が5年以上続いている場合、体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)による治療効果に相違は認められないと発表した。
また、不妊の女性では不妊期間が4.8年を超えると体外受精による受精率が低下すると報告された。
非男性因子不妊症に対する顕微授精の効果
近年、男性不妊を除いた体外受精サイクルにおいて、顕微授精を選択するケースは増加傾向にある。
そこで今回、研究チームは、非男性因子不妊の体外受精および顕微授精17477サイクル(女性4177人、不妊期間5年以上、体外受精3806人と顕微授精371人)を対象に胚移植1回目の出生率、受精率および臨床妊娠率を比較し、男性不因子の長引く不妊における治療効果を検証した。
まず、不妊期間と体外受精の受精率は非線形関係であり、比例の関係にはなかった。女性の不妊期間がターニングポイント(4.8年)を超えると、体外受精による受精率が低下すると報告された。
また、胚移植1回目の出生率は顕微授精より体外受精のほうが高くなった。体外受精および顕微授精において、第二減数分裂中期あたりの受精率、臨床妊娠率に相違は認められなかった。これより、非男性因子不妊かつ不妊期間5年以上である場合、体外受精および顕微授精による治療効果は同じであるといえる。
(画像はBMC Women’s Healthより)

BMC Women’s Health
https://bmcwomenshealth.biomedcentral.com/