子宮内ならびに膣内フローラによる影響
12月5日、アメリカ国立医学図書館に掲載された琉球大学による研究論文では、生殖補助医療において、子宮内ならびに膣内フローラ(マイクロバイオーム)のバランスが妊娠結果に影響を与え、善玉菌が多いほど妊娠率が高まると報告された。
子宮内ならびに膣内おける善玉菌と悪玉菌の割合が生殖補助医療結果に与える影響
女性の子宮内や膣内には、体に有益な働きをする善玉菌「ラクトバチルス菌(乳酸桿菌)」が豊富に存在している。しかしながら、これまで、生殖補助医療において子宮内フローラに占めるラクトバチルス属の役割は不明であった。
そこで今回、研究チームは、良質の胚を移植した女性35人を対象に、子宮内ならびに膣内フローラにおける善玉菌と悪玉菌のバランスが生殖補助医療の結果に対して与える影響について検証した。
善玉乳酸菌のラクトバチルス属と病原菌のバランスを比較したところ、胚移植から妊娠成立に至った21人は子宮内ならびに膣内フローラにラクトバチルス属が多く存在し、病原菌が少ないことが認められた。一方、妊娠に至らなかった女性は、ラクトバチルス属が少なく、病原菌が多く存在したという。
これより、子宮内ならびに膣内フローラの善玉菌と悪玉菌のバランスは、生殖補助医療の結果を大きく左右するといえる。
(画像はNational Library of Medicineより)

National Library of Medicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36468798/