胚移植において最も重要な因子とは
8月25日、イタリアの研究チームは、「Human Reproduction」にて、体外受精ならびに顕微授精における胚盤胞の正倍数率および正倍数性(染色体数が正常)胚盤胞の総数は、女性の年齢および卵巣予備能と強い関連性をもつと発表した。
女性の年齢、AMH値と胚の形態における関連性
これまで、生殖補助医療において、正倍数性胚盤胞の発生率は女性の年齢上昇に伴って低下し、正倍数性胚盤胞の総数は胚盤胞コホートのサイズに影響されるといわれてきた。
研究チームは、IVFセンターにて2017年から2020年の期間、胚移植1回目のカップル847組(女性BMI値35以下、着床前診断(PGT-A)実施)を対象に、胚盤胞の正倍数率および正倍数性胚盤胞の総数に影響を与える因子を検証した。
今回、卵巣刺激と受精後、約40%のカップルから提供された胚盤胞1068個に対して着床前診断を実施したところ、33.6%が正倍数体胚盤胞であった。
また、少なくとも正倍数体胚盤胞が1つある女性の割合は、30代と比べて40代は低くなった。これより、胚盤胞の正倍数率、正倍数性胚盤胞の総数は、血中AMH値と正の関係、女性の年齢とは負の関係にあることが認められた。
なお、今回、機械学習を用いて、女性側は血中抗ミュラー管ホルモン(AMH)、年齢、身長・体重、BMI、一方、男性側では年齢、身長・体重、BMI、精子数、精子運動率、精子形態に従って分析した。
研究チームは、胚盤胞移植1回あたりの胚盤胞の正倍数率および正倍数性胚盤胞の総数は、女性の年齢および卵巣予備能による影響を大きく受けると結論付けている。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
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