母親のPCOSが子供に及ぼす影響
9月13日、オーフス大学(デンマーク)の研究チームは、「Human Reproduction」にて、母親の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は子供の思春期の発達に影響を及ぼし、女児における第二次性徴の時期を早めると発表した。
PCOSの症状が出ている思春期の女性では、アンドロゲンの過剰分泌を理由にPCOSでない同世代と比べて、アドレナーキ(陰毛および腋毛の出現)が早く発現する傾向にあるといわれる。
母親のPCOSと子供の思春期の発達における関係性
研究チームは、デンマークのコホート調査「The Puberty Cohort in the Danish National Birth Cohort(DNBC)」より母子15596組を対象に、18歳を上限として子供の胎児期から完全な性的成熟まで集団ベースのコホート研究を実施した。
思春期の発達は、子供が11歳を迎えた時から6ヶ月ごとに自己申告をした。また、被験者である母親にはPCOS251人、希発月経134人、他の月経異常2411人が含まれる。
自己申告データに基づき分析したところ、母親のPCOSと子供の思春期の発達における関係性が認められた。なお、母親のPCOSによる影響は女児に限り、男児における相違は確認されなかった。
母親がPCOSを発症している場合、母親がPCOSでない場合と比べて、女児における思春期の発達が平均3.3ヶ月、女児のアドレナーキに関しては平均5.4ヶ月早まると報告された。また、母親の希発月経や月経異常は、女児、男児ともに思春期の発達に影響を及ぼすことはなかったという。
(画像はHuman Reproductionより)

Human Reproduction
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