卵巣一つと卵巣二つの妊娠確率
6月18日、ニューヨーク大学(アメリカ)の研究チームでは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、生殖補助医療において、卵巣の数に関わらず、出生率は大差ないと報告された。
また、卵巣が一つの場合、卵巣二つに比べて、採卵数は少ないものの成熟卵子の確率は高くなったという。
卵巣の数と生殖補助医療効果における関係性
卵巣は左右に一つずつあり、片側の卵巣を摘出しても、もう片側の卵巣が正常に残されていれば妊娠が可能といわれる。
今回、研究チームは、2012年から2020年の期間、生殖補助医療サイクル1回以上の女性を対象に減数第二分裂中期の1サイクルあたりの採卵数、卵巣予備能、臨床妊娠率、出生率を比較し、卵巣の数と生殖補助医療効果における関係性を検証した。
卵巣が一つの女性104人(158サイクル、平均年齢35.5歳)では、卵巣が二つの女性312人(474サイクル、平均年齢35歳)と比べて抗ミュラー管ホルモン(AMH)が低く、Day2の卵胞刺激ホルモンは高くなった。また、減数第二分裂中期の1サイクルあたりの採卵数は少なかったものの、成熟卵子は50%以上であったという。
一方、卵巣の数に関わらず、受精率、胚盤胞形成率、受精卵(胚)の染色体正倍数性率、胚移植1回あたりの出生率において相違は認められなかった。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)
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