X染色体と男性不妊の関係性
7月8日、国際的な研究チームは、「The American Journal of Human Genetics」にて、複数のX染色体が男性不妊の要因に成り得ると発表した。
男性不妊とX染色体における関係性
これまで、X染色体は男性の健康状態において重要な役割を担っていることは確認されていた。しかしながら、精子形成とX染色体の関係性は解明されていない部分が多く、3つのX染色体の関与のみが判明していた。
そこで、今回、研究チームは、不定型無精子症(精液中に精子あり、精子運動性に問題あり)および無精子症(精液中に精子なし)を起因とする男性不妊2354人を対象に、男性不妊とX染色体における関係性を検証した。
タンパク質をコードする遺伝子をもつX染色体に対して遺伝子シーケンシングを実施し、生殖能力・機能に異常がない男性と比較したところ、21遺伝子と不定型無精子症および無精子症において強い関連性が認められた。また、34遺伝子には、低いながらも不定型無精子症および無精子症と関連性があった。
さらに、男性不妊との関連性が確認された遺伝子に焦点を当て、不定型無精子症および無精子症による男性不妊265人に対して遺伝子シーケンシングを行った。不妊男性9人、およそ6遺伝子において特定なバリアント(変異株特化型)が特定され、男性不妊とのより強い関連性が確認された。
(画像はAJHGより)
AJHG
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