不妊治療に伴うリスク
2月22日、米国心臓協会は、同協会プレスリリースを通じて、不妊治療により、血管合併症および妊娠合併症の発症リスクが高まると発表した。
今回の研究では、不妊治療で妊娠した場合、自然妊娠と比べて、不整脈や腎障害などの血管合併症リスク、胎盤剥離、帝王切開、早産などの妊娠合併症リスクの増加が認められた。
なお、研究論文は、「Journal of the American Heart Association」(2月22日)に掲載された。
不妊治療に伴う血管合併症および妊娠合併症リスク
近年、女性の年齢上昇に伴い、不妊治療を受ける割合は増加傾向にある。一方、母体年齢が上がると妊娠・出産リスクは高まる。特に35歳以上の女性は、妊娠中における慢性高血圧などの発症条件、妊娠合併症の発症リスクが増すという。
今回の研究では、アメリカの大規模データベース「National Inpatient Sample(NIS)」のデータ(2008年1月1日~2016年12月31日)を用いて、不妊治療に伴う血管合併症および妊娠合併症リスクを検証した。
不妊治療の有無、血管合併症と妊娠合併症の病歴に基づき、データ分析を行ったところ、不妊治療で妊娠した女性の平均年齢は35歳、自然妊娠では平均28歳であった。
不妊治療を受けた女性は、慢性高血圧、肥満、糖尿病など健康上の問題を抱えている傾向が強く、妊娠中における急性腎不全(不整脈リスク65%)の発症は2.5倍以上、常位胎盤早期剥離および胎盤剥離は57%と報告された。さらに、帝王切開リスクは38%、早産リスクでは26%増加したという。
(画像はAmerican Heart Associationより)
American Heart Association
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