妊娠前の減量による効果
3月14日、バージニア大学(アメリカ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、原因不明の女性不妊である肥満女性の妊娠可能性は、減量によって高まることはないと発表した。
今回、不妊の肥満女性が減量したところ、メタボリック症候群は改善されたものの、残念ながら妊娠・出産率の改善効果は認められなかった。
肥満女性の減量と妊娠可能性における関係性
女性は、太り過ぎであると妊娠しにくい。肥満女性の場合、減量で妊娠可能性が高まり、肥満妊娠より減量後の妊娠のほうが安全に出産できるといわれる。それゆえ、現状、多くの専門家や医療関係者は、妊活中の肥満女性に対して減量を勧めている。
今回、研究チームは、原因不明の女性不妊である肥満女性と妊娠に関する調査「FIT-PLESE」(9医療機関、不妊症の肥満女性379人)に基づき、減量と妊娠可能性における関係性を検証した。
被験者を減量グループ(集中的な生活習慣の介入、食事制限と治療薬による減量)、減量なしグループ(減量なし、身体活動の増加)に分け、プログラム実施後に不妊治療3サイクル目を開始した。
減量グループでは16週間のプログラムを経て体重が平均7%減り、23人が出産に至った。減量なしのグループでは体重は減らなかったものの、29人が出産した。
これにより、集中的な生活習慣の介入にて減量した女性群、減量なしで身体活動のみを増やした女性群において、妊娠率および出産率に差異は認められなかった。
しかしながら、集中的な減量プログラムは、減量に加えて、メタボリック症候群、糖尿病、脳卒中や心臓病など疾患リスクを軽減し、肥満女性に健康上の利益をもたらした。不妊は健康問題と関連をもち、今後、更なる研究が期待される。
(画像はプレスリリースより)
UVAHealth
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