出生時男女比に影響を与える因子
3月14日、東北大学の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、妊娠期の鉛曝露と出生時男女比には関連性があり、母親の血中鉛濃度が高くなると男児の出生割合が大きくなると発表した。
研究論文は、「Science of Total Environment」(1月4日)に掲載されている。
妊娠中の鉛曝露と出生時男女比における関係性
日本の出生時男女比は、女児100人に対して男児104人から107人といわれる。近年、世界的に男児の出生率が減少傾向にあり、世界の出生時男女比における差異が小さくなりつつある。
研究チームは、環境省による疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に基づき、母子85171組のデータを用いて妊娠中の鉛曝露と出生時男女比における関係性を検証した。
妊娠中の母親から採取した血液サンプルを分析したところ、血中鉛濃度の中央値は5.85ng/gであった。妊娠中期・後期の血中鉛濃度と出生時男女比には関連性が認められ、血中鉛濃度の増加に伴い、男児の出生割合が大きくなった。
さらに、血中鉛濃度が1ng/g未満の場合でも、出生時男女比に影響を与えると報告された。なお、ガイドラインでは、血中鉛濃度が50ng/gを超えないように定められている。
研究チームは、血中鉛濃度と出生時男女比における関連性は完全に解明されておらず、出生時男女比に影響を与える因子のうちの一つに過ぎないと結論付けている。
(画像はプレスリリースより)

TOHOKU UNIVERSITY
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