妊娠糖尿病に伴うリスク
5月26日、ヘルシンキ大学病院(フィンランド)の研究チームは、「European Society of Endocrinology」にて、妊娠糖尿病の発症歴がある女性は1型および2型糖尿病の発症リスクが増すと発表した。
糖尿病は慢性疾患であり、膵臓からインスリンが十分に分泌されず、体内でインスリンが機能しない。一方、妊娠糖尿病は、妊娠期のみに発症し、出産に伴い症状はなくなる。今回、妊娠糖尿病を発症した女性のうち、半数が2型糖尿病を発症したと報告された。また、1型糖尿病を発症した女性は5.7%であった。
妊娠糖尿病と1型および2型糖尿病における関係性
研究チームは、妊娠糖尿病を発症した女性391人(1984~1994年生まれ)を対象に、妊娠糖尿病と1型および2型糖尿病における関係性を検証した。23年に亘って追跡調査を続け、2012年から2013年にアンケート調査を実施した。
調査を通じて、グルタミン(GAD)および膵島細胞抗体(ICA)が1型糖尿病の予測因子となることが認められた。妊娠中にグルタミン(GAD)および膵島細胞抗体(ICA)が検出された場合、その後、高い確率で1型糖尿病を発症したという。
糖尿病の危険因子としては遺伝子および環境要因があり、健康状態の問題・異常が重なることによって発症するといわれる。研究チームは、妊娠糖尿病が糖尿病の危険因子に成り得ると結論付けている。
(画像はEuropean Society of Endocrinologyより)

European Society of Endocrinology
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