多嚢胞性卵巣症候群の女性におけるケトジェニックダイエットの役割
11月18日、ブラジルの研究チームは、「British Journal of Nutrition」にて、ケトジェニックダイエットは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に伴う肥満リスクの改善において効果があると示した。
PCOSの女性がケトジェニックダイエットを取り入れることにより、体型やホルモンバランスは大きく改善し、PCOSに伴う肥満リスクは軽減すると報告された。
多嚢胞性卵巣症候群に伴う肥満リスクの改善
ケトジェニックダイエット(ケトン食)とは、炭水化物や糖質を極限まで制限し、タンパク質と動物性および植物性脂肪を多く摂取する食事療法である。それゆえ、炭水化物を制限するケトジェニックダイエットは、PCOSに伴うインスリン抵抗性や過剰な脂肪蓄積などの肥満リスクを軽減させると示唆されてきた。
そこで今回、研究チームは、医療データベースを用いてランダム化比較試験を行い、PCOSの女性におけるケトジェニックダイエットの役割について検証した。
介入群(ケトジェニックダイエットあり)と対照群(ケトジェニックダイエットなし)を比較したところ、体型に対する改善効果が認められた。
ケトジェニックダイエットを摂取したPCOSの女性は、インスリン抵抗性や血糖値が改善し、体重、腹囲(ウエスト周囲径)、体脂肪量、BMI、ウエストヒップ比が有意に減少したという。
あわせて、ホルモンバランスに対する効果も認められ、総テストステロン、性ホルモン結合グロブリン(SHBG:肝臓から血中へ放出されるタンパク質)、黄体形成ホルモン(LH)、LH/FSH比(黄体ホルモン/卵巣刺激ホルモン比)は改善した。
(画像はBritish Journal of Nutritionより)

Cambridge University Press
https://www.cambridge.org/