食事が生殖に与える影響
11月17日、イランの研究チームは、「BMC Research Notes」にて、炎症誘発性の食事内容は、異常精子の割合を高め、精子の質を低下させると示した。
食事の炎症性は、「食事性炎症指数(DII)」にて数値化される。食事性炎症指数とは、食事内容が炎症状態に与える影響を総合的に評価する指標であり、DIIスコアが高いほど炎症を促進させやすい食事、低いほど炎症を抑制しやすい食事とされる。
今回、DIIスコアを上昇させる炎症誘発性の食事内容は、精子の質に悪影響を及ぼすと示唆された。
食事性炎症指数と精液の質における関係性
研究チームは、不妊であるイラン人男性270人(18~55歳)を対象に「食物摂取頻度調査票(FFQ)」(168項目)を行い、過去1年間の食事摂取データを収集し、栄養素や食物の摂取頻度を評価した。
そのうち30品目(脂肪、ビタミン、コレステロール、飽和脂肪、トランス脂肪、タンパク質、炭水化物、エネルギー、鉄、亜鉛、セレンなど)から DIIスコアを算出した。
DIIスコアに基づき精液パラメータ(精子の正常形態率、精子濃度、精液量、精子運動率)を評価したところ、食事性炎症指数と精子濃度において関連性が示された。
DIIスコアが高い男性群は、DIIスコアが低い男性群と比べて炎症性食品を多く摂取している可能性があり、異常精子の割合は高くなったという。
(画像はBMC Research Notesより)

BMC Research Notes
https://bmcresnotes.biomedcentral.com/