黄体サポートにおける効果的なプロゲステロン投与
12月15日、バーミンガム大学(イギリス)は、黄体サポートではプロゲステロンカプセル使用で体外受精結果は改善されると示した。
新鮮胚を用いた体外受精サイクルでは、卵巣刺激によって体内で自然に生成されるプロゲステロンが減少するため、生殖補助医療において黄体サポート(不妊治療後に妊娠を維持するためのホルモン補充療法)は欠かせない。
また、ホルモン補充療法を併用した凍結融解胚移植では黄体期がなく、プロゲステロンを人工的に投与する必要がある。
今回、プロゲステロンカプセルを使用した女性は、プロゲステロンペッサリーを使用した女性と比べて、体外受精の出生率は向上したという。なお、研究論文は「Human Reproduction」に掲載されている。
プロゲステロンカプセルおよびプロゲステロペッサリーによる有効性を比較
研究チームは2017年1月から2022年12月の期間、イギリスの医療機関14ヶ所にて不妊治療患者2万3,149人、生殖補助医療サイクル4万2,291回(プロゲステロンカプセル2万5,738回、プロゲステロンペッサリー1万6,553回)を対象に、黄体サポートにおける効果的なプロゲステロン投与について検証した。
体外受精の結果を比較したところ、黄体サポートにてプロゲステロンカプセルを使用した女性(1日600~800mg)は、プロゲステロンペッサリー使用した女性(1日800㎎)を比べて、新鮮胚移植サイクルならびに凍結融解胚移植サイクルの出生率が高い結果となった。
あわせて、凍結融解胚移植にプロゲステロンカプセルを併用した場合、ペッサリーを併用した場合より流産率は低下したという。
(画像はプレスリリースより)

UNIVERSITY OF BIRMINGHAM
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