薄い子宮内膜による影響
8月11日、イェール大学医学部(アメリカ)は、プレスリリースにて、体外受精において、子宮内膜の厚みと妊娠の可能性に大きな関連性はないと示した。
今回、子宮内膜が薄い状態は、胚移植の成功率、体外受精の出生率に対して大きな影響を与えないと報告された。なお、研究論文は「Human Reproduction」に掲載されている。
子宮内膜の厚みと体外受精の成功率
現在、子宮内膜が7mmに満たない場合、胚移植の成功率は下がるといわれ、胚移植をキャンセルする傾向にある。
そこで今回、研究チームは、2017年1月から2022年12月の期間、アメリカ、スペイン、アラブ首長国連邦の医療機関25施設からデータを収集し、子宮内膜の厚みと体外受精の成功率における関係性を検証した。
凍結融解胚移植による体外受精3万サイクル以上を分析したところ、アラブ首長国連邦では、子宮内膜が薄い状態と体外受精の出生率の低下に相関関係はないと示された。一方、アメリカならびにスペインでは、子宮内膜が7mm未満の場合、体外受精の出生率は20%低下することが認められた。
ただし、これは、子宮内膜7mm未満の胚移植サイクル数の違いによる。
アラブ首長国連邦は子宮内膜の厚みに関係なく胚移植を実施するが、アメリカならびにスペインでは、子宮内膜が7mm未満では胚移植を見送る傾向にある。それゆえ、必ずしも、子宮内膜の薄さ自体が胚移植の成功に影響を及ぼすわけではないといえる。
(画像はプレスリリースより)

Yale SCHOOL OF MEDICINE
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