ホルモン異常による男性不妊と効果的な治療
ユタ大学の研究チームは、「BJU International」にて、テストステロン/エストラジオール比(T/E2)が低い場合、クロミフェンクエン酸とアナストロゾールによる治療が効果的であると発表した。
女性ホルモン「エストラジオール(エストロゲンの一種)」の増加、男性ホルモン「テストステロン」の減少を起因とした男性不妊おいて、クロミフェンクエン酸とアナストロゾールによる治療効果は高く、副作用は少ないという。
クロミフェンクエン酸とアナストロゾールによる治療効果
研究チームは、2014年から2017年に掛けて、不妊である男性51人(T/E2<10、エストラジオール>50 pg/mL)を対象に、クロミフェンクエン酸とアナストロゾールによる治療効果を検証した。臨床試験では、治療開始から3ヶ月後に精液特性を測定し、基準値と比較した
クロミフェンクエン酸のみを用いた治療では、総テストステロン量、遊離テストステロン量(生物学的に利用可能なテストステロン量)、エストラジオール量が著しく増加した。クロミフェンは選択的エストロゲン受容体調節物質であり、排卵誘発を目的に用いられる。エストラジオール量の上昇は、精子形成に悪影響を及ぼす。
一方、クロミフェンクエン酸とアナストロゾールを用いた場合、エストラジオール量は減少し、テストステロン/エストラジオール比は増加し、男性不妊の症状における改善が認められた。
(画像はPixabayより)

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https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/bju.14390