体外受精の出生率
ペンシルベニア州立大学医学部の研究チームは、「New England Journal of Medicine」にて、女性不妊の要因が排卵障害でない場合、新鮮胚および凍結胚による体外受精の出生率は大差ないと発表した。
なお、同大学の先行研究では、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)における体外受精の出生率は、新鮮胚と比べ、凍結胚が高くなると報告されていた。
新鮮胚と凍結胚による体外受精
研究チームは、体外受精1サイクル目の女性2157人を対象に、新鮮胚と凍結胚による体外受精の出生率を比較した。被験者の不妊要因は排卵障害でなく、排卵周期や排卵に異常はなかったという。
臨床試験結果を比較したところ、凍結胚における体外受精の出生率は48.8%であり、一方、新鮮胚では50.2%となった。
また、体外受精に凍結胚を用いることにより、排卵誘発剤による卵巣過剰刺激症候群(OHSS)など不妊治療に伴うリスクが軽減したと報告されている。
不妊治療の改善へ期待
同大学のリチャード・S・レグロ(Richard S. Legro)教授は、今回の研究結果を受けて、凍結胚による体外受精は排卵障害の有無に関係なく、不妊治療を受ける女性に効果があり、身体的負担も小さくなると述べている。
合わせて、個々の不妊症状や起因に応じた不妊治療が可能になり、体外受精の出生率が高まると考える。
(画像はプレスリリースより)

PennState
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