大気汚染物質PM2.5と男性不妊
香港中文大学の研究チームは、「BMJ Open」にて、大気汚染が精子の質に悪影響を与えると発表した。大気汚染物質PM2.5により精子に異常が生じ、男性不妊を引き起こしたと報告される。
PM2.5は、車の排気ガス、火力発電、工場・産業廃棄物に含まれている。目に見えない微小粒子物質であり、空気とともに鼻や口から吸入される。
香港にて任意調査
研究チームは、2001年から2014年に掛けて、15歳から49歳まで、香港在住の男性6475人を対象に、大気汚染と精子の質における関連性を調査した。
被験者から採取時を変えて複数の精子サンプルを採取し、3ヶ月間の短期的影響と2年間の長期的影響を測定した。なお、精子形成サイクルは3ヶ月であり、精子の質はWHOガイドライン1999に基づいて評価された。
大気汚染と不妊の因果関係
被験者の生活域における大気汚染レベルと精子の質を分析したところ、大気汚染物質PM2.5と精子の大きさ・形状異常において強い関連性が認められた。
年間平均濃度5µg/m3にて2年間さらされた場合、精子の正常形態率は1.29%減、正常形態の下限値10%になるリスクが26%増となった。
研究チームは、今回の調査を受けて、大気汚染が男性不妊の要因になると結論付けている。
(画像はPixabayより)

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