体外受精における新たな培養液
ミズーリ大学動物科学部の研究チームは、動物の体外受精を通して、ヒト生殖補助医療に応用できる培養液の成分・配合を発見したと発表した。新たな培養液は体外受精の費用負担を軽減し、成功率(妊娠・出産率)を高めるという。
マイケル・ロバーツ(Michael Roberts)教授は、ブタの体外受精における試みより、体外受精の過程に大きく影響を与える培養液の成分・配合を偶発的に発見したと述べている。
偶発的な発見
研究チームは、培養液の成分・配合を変えて、子ブタの幹細胞が成長する過程の改良を重ねていたところ、インスリン様成長因子(インスリンの構造に類似したペプチド一群により細胞の増殖に作用する)を含む培養液により胚(受精卵)の成長速度や成長効率が4倍に高まることが確認された。
合わせて、ヒト生殖補助医療に応用でき、身体的に安全であると認められた。
通常、体外受精では、女性から卵子と卵子を囲むナース細胞(哺育細胞)を採取し、受精可能な状態まで培養する。成熟した卵子は精子と受精させられ、受精後5~6日程度、培養液内にて受精卵を成長させる。
ロバーツ教授は、新たな培養液の成分・配合により体外受精の費用負担は軽減され、成功率は高まると期待する。
(画像はPixabayより)

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