メディアの描写と現実
イリノイ大学スポーツ健康科学・観光学部トニ・リヒティ(Toni Liechty)教授とブリガムヤング大学のサラ・M・コイン(Sarah M. Coyne)教授らは、「Health Communication」にて、妊娠中および産後の女性に対するメディアの描写について言及した。
テレビなどのメディアは、妊娠中および産後の女性を現実とかけ離れた、非現実的な姿として作り上げる。また、メディアの描写は、女性に対して、体重や体型を過剰に意識させる傾向にあるという。
テレビなどメディアによる訴求効果
リヒティ教授とコイン教授らは、妊娠20週前後や産後9ヶ月以内の女性50人を対象に、妊娠中および産後の女性におけるメディア描写、メディアの訴求効果について調査した。
調査参加者である女性46%は、メディア描写を非現実的な女性像と受け取り、妊娠中や産後の生活に対して否定的な感情を助長させると回答している。
リヒティ教授は、メディアの描写が、女性に対して妊娠・出産・育児における非現実的な期待を抱かせると指摘する。
多くの女性は、妊娠に伴う体重・体系変化を否定的に捉える傾向にある。また、多くの場合、出産直後に産前の体重・体型に戻す、出産直後から自分一人の時間を確保しながら育児を楽しむことは難しい。
一方、メディアでは、例えば、出産直後に産前の体重や体型に戻し、自分の時間と育児を楽しむ著名人など一部を現実像として取り上げる。
ソーシャルメディアの影響力
ソーシャルメディアではリアルな生活が投稿され、独特の影響力をもつ。リヒティ教授は、妊娠および出産後の女性は、ソーシャルメディア上にある他者の妊娠・出産・育児に対して共感できると説明する。
しかしながら、ソーシャルメディア上も直接的、間接的に他者を否定し、他者から否定されることも起こり得る。
リヒティ教授は、テレビ、ソーシャルメディアなどメディア媒体の利点・欠点を念頭に置いて活用するように推奨する。
(画像はPixabayより)

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