非配偶者間体外受精と子供の健康状態
マードック子供研究所(豪・メルボルン)は、「Reproductive BioMedicine Online」にて、第三者の精子提供を受けた非配偶者間体外受精による誕生児は、配偶者間の誕生児と比べ、肉体的・精神的健康状態に大差はないと発表した。
世界初の調査
研究チームは、オーストラリアにて、非配偶者間体外受精より誕生した子供(5~11歳)224人を対象に、子供の母親に対して、子供の成長における肉体的・精神的健康状態、健康管理に関するアンケート調査を実施した。
肉体的・精神的健康状態は、子供の成長に大きな影響を与える。心理社会的発達の観点より、非配偶者間体外受精より誕生した子供は、配偶者間にて誕生した子供と比べ、肉体的・精神的健康は同程度であることが認められた。
アンケート調査結果を受けて、家族形態(異性愛者、同性愛者、未婚女性)は、誕生した子供の肉体的・精神的健康状態に対して影響を与える要因にならないと報告された。また、非配偶者間体外受精より誕生した子供は、母親の肉体的・精神的健康状態が良好な場合、配偶者間にて誕生した子供以上に健全な健康状態であったという。
多様な調査研究の必要性
近年、第三者の精子提供による体外受精は増加傾向にある。デイビッド・アモール(David Amor)教授は、第三者の精子提供による体外受精は未知の領域であり、当事者らが判断を下すことは簡単でないと述べている。
今回の調査により、非配偶者間体外受精に対して抱かれる否定的要素は軽減し、安全性や安心性が証明された。今後、調査規模や比較対象を変え、非配偶者間体外受精、及び、配偶者間により誕生した子供の肉体的・精神的健康状態に関する調査研究が求められる。
(画像はPixabayより)

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